30代 中国語を極めるまでの記録

語学学習の進捗・気づきなどを記載していきます

Comprehensible inputと準一級受験

こんにちは。

お久しぶりです。

近ごろは暖かくなりはじめて、窓を開けると春の香りがとても心地良いですね。

 

 

さて、言語学習にはComprehensible inputという概念があります。

 

youtu.be

 

まさに探し続けてた動画といいますか、私が英語の勉強を始めた

10代の時にこの考え方を知っていたら・・・!と思えるような内容です。

動画ではエピソードや具体的な方法論を交えて説明されていますが

結論として教授の主張は以下のひとつ(ご興味のある方は動画をご覧下さい)。

 

We acquire a language in one way and only one way when we understand messages. 

We call this "comprehensible input." 

我々はひとつの、そして唯一の場合によってのみ言語を習得することが出来ます。

それはメッセージを受け取ったときです。

我々はこれを「理解可能なインプット」と呼んでいます。

Steven Krashen

 

確かに、母語であろうと外国語であろうと、

言語の究極の目的はコミュニケーションにあるはずです。

Inputに関して言うならば、語学力の如何に関わらず

相手のメッセージを受け取ることが出来れば目的は完遂出来ていることになります。

逆にそこを強く意識して、

「メッセージを受け取れるように」、

「メッセージを受け取れるレベルの教材を適宜取捨選択しながら」

学習するということが言語習得の肝になるのだと。

当たり前のことの様で、盲点になりがちな部分でもあると思います。

これがComprehensible inputの考え方です。

 

 

次に、私自身の直近の学習の進捗について話しておきます。

引き続き听力に取り組んでおり、ここひと月は暇さえあれば

中国語の動画やPodcastを聴いていた気がします(毎日平均して10時間程度)。

その結果、最近では文字通り一日中中国語を聴いても疲れることはなくなりました。

以前(中検2級対策をしていた10ー11月頃)はたった十数秒の会話を聞き取りを

数回繰り返しただけでも疲労感を覚えていましたが、今では何ともありませんね。

もちろん、それはある程度の集中力を維持しながら問題も解くというウエイト付きの取り組みでしたが。

 

どういった教材が良いかは各々のお好み次第かと思いますが

特に私のオススメは茶歇中文というPodcastです。

 

youtu.be

 

速度・内容・語彙レベルも中級者にとって適度なものになっており、

投稿もほぼ毎週行われており、Podcast上の評価も4.9/5で高評価です。

投稿者もComprehensible inputの考え方を念頭に作成しているようで、

上の動画では話されている内容に関連した絵を描いてくれています。

絵を見ながらだと、音声だけ聴くより圧倒的に理解度が上がると感じませんか?

これこそがComprehensible inputの威力です。 

※(自分の記録用に)2/19に、茶歇中文の79課を通して聴く。 

  1.5~1.9倍速での理解度は7-8割。当日の総視聴時間17時間弱。

 

効果的な学習を集中的に継続している成果か、耳の完成度については

既に読解中心に実力を伸ばしてきた英語を超えたかも知れません。

語彙の関係で理解出来るものの幅はまだまだ英語が圧倒的に広いですが、

英語はまだ外国語を聴いている感覚が残りますね。

一方、中国語は母語を聴く感覚に近くなっていると感じています。

※語彙の問題を除いても"母語同然"ではまだありません。

 听力において何かが足りないのですがそれはまた今後の課題として。

 

さて、ここでComprehensible inputの図を示します。

 

Comprehensible inputの範囲



ここで重要なのは、Comprehensible inputが可能な範囲は、

自身の言語レベルのやや外まで広がっているということです。

新しい単語や表現を理解・体得出来れば、その分言語レベルも少し上がります。

つまり、Comprehensible inputを継続する限り、特別な学習を行わなくとも言語能力は上がり続けていくということです。 
その考え方でいくと、分厚い文法書や単語帳ですらも不要ということになります。

これまでの外国語学習の常識でいうと一見荒唐無稽なようですが、

ネイティブの子供が母語を覚えていく過程を思い浮かべればそれほど突飛な考えでないことがわかると思います。

もちろん、そのためには耳を徹底的に鍛える必要があります。

私も、中国語の学習を開始した当初から

直感的・経験知的にそういったことが見えていましたので、

兎にも角にも耳を鍛えることを最優先事項として学習を続けてきました。

 

 

そして最後に、ここ一ヶ月間の最大の懸案事項であった準一級受験について触れておきます。

当初から3月の準一級の目標で来ていましたが今回は見送ることにしました。

理由は逆説的ですが、準一級の背中が見えてきたからということが大きいです。

 

2級を目指していた頃は、準一級はあまりに遠すぎる目標で考えるだけで若干鬱になっていましたが(笑)、いまは現実的な目標として見据えることが出来ています。 

特に最近はやればやるほど中国語の理解度が上がる感覚が持てていて

ひと月前に3月の受験への迷いについての投稿をした頃よりも格段に力がついていることを感じます。

だからこそ、いま急いで無理矢理語彙を詰め込む作業に時間を費やしたくない、

このままの学習を継続して、通過点として準一級を取りたい、

そういった自分の気持ちを大事にしたいと思ったんです。 

 

取得は早ければ6月になるかも知れませんし、11月になるかも知れません。 

自分としてはどちらでも良いと思っています。

どちらにせよ軽く取ってしまうだけの実力はつけることになるのだから。

いまはそういう自信と期待を持って日々学習が出来ています。

 

長くなりましたが本日は以上にします。 

また何かしら自身の成長や新たな発見があればご報告します。

それではまた。