30代 中国語を極めるまでの記録

語学学習の進捗・気づきなどを記載していきます

学習者向けPodcastを倍速+の速度で聴いてみた

こんにちは。

 

引き続きPodcastをひたすら聞き漁っていますが、

学習者向けのものであれば速度を1.5倍とか1.75倍にしても理解度はあまり落ちないという発見がありました。

そこで更に速度を上げて音を拾う力を鍛えて、聴く力にどういう変化が出るかみてみることにしました。 

 

 

 

 

概要

・教材:Chinese Podcast With Shenglan、茶歇中文 

 →これらを2.0~2.5倍速で視聴

・今の実力:通常速度なら8割前後の理解度

・参考:ネイティブのナチュラルスピードの理解度

①王志安Ch:10%前後

youtu.be

②MoneyXYZ:40%~50%

youtu.be

 

 

目的と事前に想定された想定された効果

・最後まで集中力を保ったままにする(通常速度は負担が軽すぎて集中が途切れる)

・聴解に必要な音を拾えるようになる(そこさえ拾えれば文意が取れる本質的な部分)

・単語レベルは抑えてあるため音を拾う力を極限まで高めることに注力できる

→結果からいうと、今回の学習は以上の全てに効果的であった。その他の気づきは以下詳述。

 

 

記録と日々の所感

ここ数日のうちにやったことを書いていく。 

 

◎4/9 

Chinese Podcast With Shenglanを2倍速で聞く。通常スピードと比べてもあまり理解度は落ちない(7-8割)。

2.5倍速で聞く。理解度はやや落ちる(6割前後)。

夕方にネイティブのナチュラルスピードを聞いてみるが、若干スピードに慣れてきた気がしないでもないが、あまり大きな変化は感じない。 

 

◎4/10 

この日は2週間に一度の休み。

あまり休みを有効に使えた気はしなかったがとりあえずゆっくり休むことが出来た。

夕方からは少し晩酌をした(やや飲み過ぎた気がする)。

 

◎4/11

この日は事前に決めた休日ではなかったが、体がなんとなく求めている気がしたので(+前日の二日酔いもあり)、勉強を休んだ。

結果、ゆっくり脳を休めることが出来たのでこの判断は正しかったと思う。

一方、今日休んだ分をどう埋め合わせするかはまた状況を見ながら考えたい。

 

◎4/12

二日間しっかり休んだせいか、中国語がいつもより入ってくる感覚を持った。

やはり時々は意識的に脳に空白を作ることは大事だと思う。

一般的な学習者向けのPodcastであれば、2倍速でも通常速度と同じ感覚で聞ける。

2.5倍でも殆ど音が脱落する感覚がなく聞け、理解度も2倍速とほぼ変わらない。

完全に理解が出来ていないとしたらスピードに現状の処理能力がついていけていないからだと思う。 

 

◎4/13

茶歇中文を聴く。

2倍速であれば通常速度と理解度が変わらない。

2.5倍速でも普通に聴きとれる。

3.0倍になると流石に処理能力不足を感じてくるが、多少の情報の取りこぼしがあるのみで集中していれば話を見失うことはない。

 

◎4/14

引き続き茶歇中文を聴く(2.0倍速メイン)。

調べ物があったので夜に英語の動画を1時間程みた。

ちなみに英語であればネイティブがネイティブ向けに話している言葉もある程度分かる(経験と知識量の点で、私の英語と中国語にはまだ歴然とした実力差がある)。

英語の方は勉強という感覚を離れてより自然に聴き取り・情報収集を行うことが出来るのでそこが単純に楽しい。

一方で、外国語を聴くという点では一致しており、英語を聴きながら中国語の聴く回路が刺激されている感覚もあった。

その感覚を手掛かりに中国語のリスニング力も上げていけるのではないかと思える。 

そして上手く言えないのだが、英語でも中国語でもネイティブ向けのものを聞いた方が本物の質感に直に触れている感覚があって語学を学んだ喜びを強く感じる

これから毎日30分だけでも英語を聴く時間を設けるかも知れない。

 

◎4/15 

約一週間やってみたが、今回聞いたものに限っていえば2.0~2.5倍速にしても理解度がほぼ落ちないまま聞き取れるようになった。

夕方に最終テスト的にネイティブのナチュラルスピードの動画をみる。

理解度の変化は以下の通り。

・王志安:10%前後→25-30%

・Money XYZ:40-50%→70-80% 

中国語の方言については無知に近いので確かなことは言えないが、前者は北京訛りが多少あるように感じそこで理解度が落ちた。知らない言葉も多い。

後者は綺麗な普通話と感じた。知らない単語に遭遇するとそこは情報が抜け落ちる感覚になるが、あまり難しい言葉は使わないようにしているのか、それ以外ではかなり聞き取れた。

この二者の大きな違いとしては、前者からはなによりもより繊細な言葉選びと深い含みを感じること。

残念ながら今の私の実力ではそこを明確に認識するには至らないが、こういった部分含め味わうことが出来るようになればそこから更に爆発的に中国語の力がつくのだと思う。

 

 

一通りやってみた後の所感・気づき

今回思いつきでやってみたが、やりながら「速度を上げてもネイティブのナチュラルスピードとは違うものになるのであまり意味がないのでは?」と思うこともあった。

しかし、実際にやってみるとこれが存外効果的だったように思う。

 

先ず、リスニングを仮に中国語の処理速度、音を掴む力、語彙力の三つの要素に分けるとすると、倍速リスニングで鍛えられるのは最初の二つ。逆に言えばそれで理解出来ないものがあるとすれば語彙の問題だということになる(問題点の特定)。

 

次に、リスニングは耳から入ってきた情報を順次処理していくことだが、最終的には全体を理解しないといけない。最初の音が入ってきた瞬間から仮説構築が始まり情報が加わる度にそれらを分解・再構築していくことで、最初は音の断片でしかなかったものが全体としての貌を持ってくる。

そのためには広範囲かつ繊細な音を聞き分ける聴力、語彙、背景知識、構文把握力、文脈理解力、語気・感情を理解する力など総合的な知性が求められる。

倍速でリスニングを行うと以上の作業をより迅速に行う必要に迫られるため、続けていると徐々に扱える音の塊が大きくなる。

その塊全体としての音と抑揚を掴むことが上達の道と思う。

 

 

足りないなにか

以上に述べたことを瞬時に(+普通に、自然に)行えなければネイティブの言葉を理解することは出来ないのだろう。

中国語の処理速度に関しては、もちろんまだまだ完成には程遠いが、結構鍛えられてきたように思う。 

その一方で、語彙力の問題を除いてもネイティブのナチュラルスピードを理解するにはまた別の要素が必要であることを強く感じる。

 

この壁を壊すには、おそらくネイティブの話す中国語の音のストックそのものを地道に増やしていくしかないのだと思う。

例えば上の王志安の動画で、16:25頃に「中国政府」という単語が出てくる。

これを捉えるには教科書通りの「zhōngguó zhèngfǔ」というゆっくりはっきりとした音を知っているだけでは十分でない。 

実際には「ジョンゴ ジャンフ」のように発音されることを体で覚えている必要がある。

 

そして現時点でもうひとつ分かるのは、ネイティブの言葉は大事な言葉ははっきり発音され、そうでないものはごく小さく発音するか消失するということ。

これは当然のことのようにも思うが強烈に意識することで結果が違ってくる。

今回の倍速リスニングを通しての一番の発見だが、総じてネイティブの言葉は、基本的な語彙はもちろん発音・抑揚・微妙な言葉選びなどの全てにおいて学習者向けのものとは言葉の質が違うということを強く感じる。

なぜそうなっているのか? 

それは何らかの伝えたいメッセージがあるから。

全ての技法や工夫はそのために用いられる。

そしてそれを受け止められるようになることが外国語学習における一つのゴールで、大きな達成感をもたらしてくれるものと思っている。

 

 

 

以上、あまりまとまりのある文章には出来ませんでしたが今回の投稿とします。

それではまた。